桐原醸造新聞 2022年06月号
いつもご注文ありがとうございます。
あっという間に今年も半分が終わりましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
6月といえば、やはり「雨」という印象の強い月です。統計的には9月の方が降雨量の多い年もあるそうですが、やはり梅雨のイメージが強いですよね。なんとなくジメジメして憂鬱に感じやすい月なのに、なんと一年で唯一祝日のない月でもあります。ゴールデンウィークにたくさん休むし、7月には子供達が夏休みに入るからかもしれませんね。余談ですが、日本はアメリカよりもずっと祝日の多い国です。
梅雨といえば傘。
雨の多い日本には、実にいろいろな種類の傘が売られています。細部までよく気がつく日本人の作る傘は、デザイン性にも機能性にも優れ、おそらく世界一バラエティに富んだ傘が見つかるのではないでしょうか。人気のビニール傘も実にいろいろな種類がありますよね。日本では元来、天から降る魔を避けるために傘を差し始めたのが、日傘になり、雨避けになったとかならないとか。また、お祭りのテーマになったり、お化けのモチーフになったり、何かと日常的に傘と触れ合う機会の多い文化です。
日本はよく雨が降るので、傘を持っていない人はいないと思います。紛失することがあると悲しい気持ちになるものですが、傘が人と人をつなぐこともあります。人に貸す傘借りる傘。傘がきっかけで人と出会い、傘がきっかけで人と繋がり、そのうち相合傘になり…
傘という字をよくみてください。「人」という字が四つもあります。三人詰めて、もう一人入ったら「傘」の出来上がり。雨が冷たくても、押し合いへし合いくっつきながらみんなで入る傘に心が温まりそうです。
雨が降るとあんなに重宝されるのに、雨が止むと途端に邪魔者扱いされ、どこかに置き去りにされることもある傘。でも、置き去りにされた傘が他の人の役に立つことも。一本の傘の、人生ならぬ「傘生」を追いかけてみたら、たくさんのドラマがあることでしょう。
「傘を見ればその人の正体が見える」と、ホテルのクロークが言うそうです。傘布をきちんと巻いて、閉じた状態の傘が美しく保たれている人は、将来成功する確率が高いそうです。傘布の端を一枚ずつピンと丁寧に巻きつけていき、全ての布が等間隔で並んだ状態で、なおかつより細く巻かれている状態がより美しいとされているそうです。昔のイギリスには、傘巻きを仕事にしていた人がいると言うぐらい、傘に対するこだわりが強かったそうです。
6月の第三日曜日は父の日ですね。
なぜか母の日よりも忘れられがちな父の日ですが、プレゼントに素敵な傘を贈るのもいいかもしれません。
なんだか傘屋さんの宣伝のようになってしまいましたが、傘に限らず、ゆっくりと丁寧に心を込めて行動することが、将来の「成功」につながるのではないでしょうか。人それぞれの「成功」は違えど。
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