桐原醸造新聞 2021年06月号
いつもご注文ありがとうございます。
新玉ねぎ、新じゃが、新キャベツ、新生姜など、一年を通して大抵の野菜が手に入るのに、期間限定のこの「新」野菜達。なんだか特別感満載でワクワクしますね。色々な新野菜が出回る春が過ぎ、夏ごぼうとも呼ばれる新ごぼうの季節がやってきました。新ごぼうは秋まで待たずに収穫するので、透明感があり柔らかいです。
ごぼうは日本をはじめ、ごくわずかな国でしか食べられていない野菜です。約8割は水分で、その他の代表的な成分は食物繊維です。食物繊維には、糖の吸収を穏やかにし血糖値を下げる効果や、脂肪の吸収を抑えてコレステロールを下げ、腸内環境を整えてくれる作用があります。そのほかにも、肝臓や腎臓の機能を活発にし、免疫を高める効果もあるそうです。ごぼうには、マグネシウムやカリウム、亜鉛などのミネラルが豊富で、古くから薬草として親しまれてきました。滋養強壮にいいと言われる成分のアルギニンの血管拡張作用は、血流をよくして脳梗塞や心筋梗塞などの予防効果が期待できます。また、コラーゲンの生成や骨や筋肉の成長を促し、肝機能の向上、美容効果や疲労回復などにも効果があるそうです。カリウムはむくみを解消し、サポニンが活性酸素を除去し、肌や内臓の老化を予防してくれます。
ごぼうの保存方法ですが、夏場は冷蔵庫で、冬場は室温が望ましいです。泥付きなら、新聞紙に包んで風通しの良い場所で常温保存。根っこを下にして立てておくと長持ちします。泥付きごぼうの賞味期限は1〜2週間ですが、泥に埋めると1ヶ月持つそうです。私は試したことがありませんが、お庭のある方は実験してみても面白いですね。
ごぼうのあの独特の香りや栄養素は、ほとんどが皮の周りに含まれています。ごぼうは本来、皮を剥かなくても食べられるので、タワシか、一度くしゃくしゃにして広げたアルミホイルでこすって、泥を落とす程度で大丈夫です。ごぼうの灰汁を抜くために、皮をむいて酢水につけるという方法がありますが、あの茶色い水はポリフェノールが溶け出したもの。どうしても白く仕上げたい料理ではない限り、皮も灰汁もそのまま食べたほうが栄養も取れます。
ごぼう料理はたくさんありますが、今日は、上品な新ごぼうの香りと生姜に牛の脂が絡んだ、おいしい炊き込みご飯です。これとお味噌汁があれば、立派なご飯の出来上がり。とても簡単なので、今日のメインにいかがですか。
牛肉とごぼうの炊き込みご飯 2 合分
材料
- 米 2合
- 牛肉 200g
- 新ごぼう 半分~1本
- 生姜 ひとかけ
- カネキ醤油 いちおし 大さじ2~3
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- ごま油 大さじ1
- 粉末だし 適宜
- ネギ 適宜
作り方
- 米は研いで水を切っておく。
- 牛肉は薄切りなら一口大に切り、(今回はひき肉を使いました)ごぼうはささがきに、生姜は細切りにし、調味料は合わせておく。
- フライパンにごま油をひき、強めの中火で肉、ごぼう、生姜をさっと炒めたら調味料を加え、汁気が半分ぐらいになるまでじゃっと炒める。
- ざるで具と汁を分ける。
- 汁に水を加え、普段より少し少なめの水加減になるようにする。
- 鍋に米と汁を入れ、具を上に乗せたら普段通りに炊く。
*お醤油の量はお好みで調節してください。
今年は例年より早く梅雨入りしましたね。大雨で困ることもあるかもしれませんが、天の恵みをたっぷり受けるからこそ育つおいしい野菜たちに感謝をして、今日も元気にいただきます!
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